患部のモノクロ写真が出て来ます。ご了承頂いた上でご覧ください。
3月15日朝 虎の急変
虎次朗の状態
朝虎次朗の様子をチェックした時、後ろ右足付け根から広がっている腫瘍から、今までで最もはっきりした出血を確認しました。かかりつけの動物病院へ電話し、教えられた通りの応急処置をして、即病院へ向かいました。
体重はさらに減って、1,100g台。初めて虎が来た時の半分以下です。
獣医師が確認すると、2,3か所から出血が確認できたそうです。
動物病院での指示・指南
この後出来ることは、
これまで通り、抗生物質の投薬・痛みがありそうなら痛み止め
また出血したら、粉状の薬でケア
食べられなくなったら強制給餌
これが自宅でできる範囲のこと全て。これらの支度を持たせてくれ、帰宅してきました。
飼い主の覚悟
「老後のケア」から「看取りケア」へ
もう時間の問題だから、これが精いっぱい。先生のお考えは、私にも十分分かっていました。出来ることがその3つなら、それを成し遂げればいい。
それで良いんです。気が引き締まるかと思いきや、私の心は寂しさがありながらも穏やかでした。なぜなら、うさぎに飼い主の悲しみやうろたえた心情を見せたくなかったから。うさぎの最後の時は、飼い主はいつも通り穏やかに名前を呼び、愛する心で接していた方が、うさぎ自身は落ち着いて最もよいのだと、「ウサギの看取りガイド」で読みました。
だから今度うさぎを見送る時は、絶対にこれを遂行させてみせると心に決めていたのです。
帰宅後の様子
枕を作って楽な姿勢に
これまではこのような枕を作ってみても、すぐ好きに動いてしまってつまづく要素となってしまっていました。しかし今日はさすがにあった方が楽なようです。
3回痙攣のような動作が
静かにしているようで、しんどい症状に耐えているのかも知れない。うさぎは隠すから分からない。虎が、いま薬が効いていて安定してのことなのか、体がしんどいから横になっているのが精いっぱいなのか、良く分かりません。
そんな折パソコン作業の仕事をしているところ、ケージ内の虎次朗がカタカタカタッと震えているような、音だけでなく雰囲気も察知。駆け寄ってみると、4本脚を引きつけ起こし始めているようにした動作をしていたので慌てて抱きかかえました。本人が不安がっているような感じもしたのです。
そう優しく包んで撫でてあげると、すぅっと楽になっていました 不思議…。そうか、あれは体が言う事聞かなくなったのではなくて、急に不安が襲ってきたりして、もしかして私を呼んでいた?
虎次朗のぬくもりがまだしっかり感じられていたから、幸せでした。虎次郎はしっかり温かかったです。
2人の時間を優先した
初代・2代目の反省を踏まえ、3代目は絶対に贅沢な締めくくりにしてあげるんだと頑固一徹に思っていたので、そのまま虎次朗を膝に抱えながら仕事を再開。暫くすると、再度引きつけのような動作をしたので、すかさず抱き上げ「大丈夫大丈夫~、虎次朗~🌸」と言いながら頬っぺたと虎の頭をスリスリ。
動物へのキスは、動物が持っている菌・人間が持っている菌、お互いを交換して宜しくないもの。それを承知で、虎の耳の付け根に唇をスリスリいっぱいしてあげました。
うさぎは愛を伝える時、耳の付け根を舐め合うのだそうです。だからうさぎ語として伝われーと思って、普段しています。推奨はしません。しかし最後となるとせずにはいられないのが飼い主というもの。
そうしているうち、もう仕事は後回しにして濃密な時間を作ろうと、抱きっぱなし・撫でっぱなしにすることにしました。
「いつもの虎次朗」で旅立った
(だめだ ここでもう思い出して泣けてくる)
日が伸びて来てキレイな夕焼けを見ながら、心地よい風を感じられるようになった季節。部屋んぽもままならない日が続いたこともあり、
虎次朗を抱えてベランダデートしに外へ出ました。
思い出話をしながら虎次朗をナデナデ。『泣くな。潤もうが鼻が出そうになろうが泣くな、平常心を保て』と必死。
お礼を何度もつぶやく私に、虎次朗は手をペロペロ舐めて返してきました。そしてまたこちらを見ながら引きつけのような動作が。柔らかく抱きしめて落ち着かせてやると、またすぅっと落ち着いてくれました。
そして暖かな たそがれ時。
膝の上でナデナデされながら、私を気遣ってなのかガチでナデナデがウザかったのか、虎次郎が私の左の人差し指を結構な勢いでガブッ。
って言っていたら、指先に心臓の鼓動が伝って来ないことに気付きました。
虎次朗が噛むのは、いつも「もう放せ」のサイン。久しぶりに元気な頃の力加減で噛まれたことに少々驚いている最中、それはそれは静かに、気づかぬうちに、旅立って行きました。
虎次朗ならではの、最後のサインだったのかも知れません。
部屋に戻り聴診器で心音を確認しましたが、心臓も腸も、何度確認しても音はしていない。
あぁ終わった 最後だ そう思ったら、暫くは過呼吸になりそうなほど泣き叫けばないと気が済みませんでした。
納得できた最後までの時間
今回虎次郎が身罷るもっとも大きな原因は、足の付け根に出来た腫瘍です。それを見逃してしまった飼い主の落ち度は否めないし、もっと早く発見できていたら・後ろ足が伸びているなーと気付いた時すぐ検査して貰っていたら、もう少し虎次郎は長生きできたかも知れません。
ですがお世話していた感覚から、果たして寿命がどれくらい伸ばせたかも、分からないんです。これは逃げの発言にもなってしまいますね。
しかしなってしまったからには、ドラえもんがいない限り時間は戻せない。「たら・れば」で後悔しているより出来ることを全力で行うことに徹した結果、悲しい反省もこれまでの虎次郎との愛情の返しっこの思い出と共に、落ち着いて考えられています。
うさぎの気遣い・気配りって凄いから、虎次郎は私が慟哭に落ちるのを先見して、普段のように指をガブッと噛んだのだろうな… それを言ったらうさ飼い知人が「そうだと思うよ」と、同じ思いなんだと知らせてくれました。
そんな声が聞こえて来そうです。またこの6年間、一番長く一緒にいたうさぎとの生活はとても愉快な日々でした。虎次郎から得た気付きや教えは、また立ち止まらず次に繋げて参ります。
3代目うさぎ・虎次朗は、最後の最後にオラオラ系を見せつけ、私を安心させてくれるような男気を持った、とってもさり気ない優しさのうさぎでした。
皆様の愛兎さんと共に歩んできていたであろう虎次朗を、いつも見に来てくださり有難うございました。私達のこの経験が、何かのヒントになってくれたら幸いです。